葛飾柴又と地域振興の秘訣

寅さんの団子屋のモデルになったお店、髙木屋老舗の石川社長にお話を伺う機会がありました。寅さんブームが去った後の柴又復活劇に地域振興のヒントがありそうです。

1969年に映画「男はつらいよ」が公開されて以来、柴又は寅さん人気のおかげで特段の営業努力をしなくともお店は繁盛していたのだそうです。ところがいざシリーズが終了するとお客様は激減。商店街は次第に寂れてきたそうです。そんな時、石川社長は「男はつらいよ」の山田洋二監督から、こんなアドバイスを頂いたのだそうです。
『ここには寅さんがいた街並みがあるよね。素朴なお土産も、人情味のある街の気質も。それを売っていけばきっと大丈夫』

この言葉を支えとして、次のような取り組みを行ったそうです。

1.街並みを残すための「景観ガイドラインの策定」。
マンション経営に乗り出すなどの土地活用が出来なくなるため、猛反対されたそうです。しかし、粘り強く説得し、全員の賛成を取り付けました。

2.各店舗の商揃えに関するガイドライン
1店舗1品主義とし、機械化していたものを手作りに戻して品質を上げ、売切れたらそれまでとしました。通常の観光地のようにどこの店に入っても、同じ商品を売っているのでは意味がないと考えたそうです。

3.積極的なコミュニケーション
コンビニやファミレスのような接客マニュアルによる対応ではない、お店からの積極的な声掛けを心がけたことで、下町らしい「人情」が感じられる接客になっています。
 
更に、地域振興のための秘訣と考えている以下の3点を教えて下さいました。
①自分の街を知ること。『街のにおい』を知ること。地域の色をハッキリ出すこと。
②地域のために無私になれる『おバカさん』が3人ぐらいいること。街作りはまず人作り。そういうエンジンとなり得る人材を街で育てていく懐の深さが大切。
③商店街としての集客と、お客様に対して各店舗が何をするべきかをはっきり分けて考えること。

実体験に基づくお話だけに非常に説得力がありました。

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